Before the Form「Curator’s Pick」カンヌのアートシーンを牽引するGalerie MO11とのコラボ第2回目では、イグナシ・ブネリの作品を紹介いたします。
形が固定される手前——何かが生まれようとしている瞬間が、宙吊りにされれます。
イグナシ・ブネリの作品は、そのような「あわい」に宿ります。絵画とドローイング、コントロールと解放、夢と覚醒の間。オイル、エナメル、そして電動サンダーを組み合わせ、構築と解体が同時にみられる表現のなかで、機械的なプロセスと表現が交互に交差しながら、ひとつの問いが静かに続いています—意味になる前の感覚を、絵画はどこまで捉えられるか。
作家は内なる風景に耳を澄ませるように、表現を加え、引き、調整を重ねます。そうして画面に生まれる振動は、固定されたイメージではなく、静かに動き続ける。鑑賞者の眼差しによって、その存在がはじめて呼び覚まされます。