アートとワインは、何世紀にもわたって近い関係にあり、多くの愛好家たちを魅了してきました。一方は作品として、もう一方は実際に味わうお酒と、一見近い関係がなさそうな二つですが、美しさ、創造性、そして感覚的な体験の追求などいくつもの共通項があります。近年では、世界中の多くのワイナリーが、ワインとアートを通して新たな体験を生み出すために、新たな可能性を探っています。
では、ワインとアートはどうして相性が良いのか。
ワイナリーにアート作品を持つことで、訪れる人々の体験をより豊かに記憶に残るものにすることができます。そして、作品は、感覚を刺激し、ワインの味と香りを補完するように情緒を呼び起こすことで、ワインを味わうという体験をより広く豊かなものにします。逆に、ワインは長い間芸術家にインスピレーションを与え、表現の助けとなってきました。また、その愛好家の層にも、ワインとアートには近いものがあります。
両者とも、その体験、感覚自体を深く味わい、そしてさらなる深みを探求し続けるという点があります。また、両方ともにコレクションをするという楽しみがあり、その裏には時代背景とどのような思い、コンセプトで作られたのか、希少価値など、近い判断基準を持つのではないでしょうか。
セニョリオ・デ・オタズ
スペインのナバラにあるOtazu Foundation では、ぶどう畑に囲まれたワイナリーの中に現代アートがコレクションされています。広大な敷地には、大規模なインスタレーション作品や彫刻が設置されており、さまざまなワインをテイスティングしながら作品を鑑賞することができます。レアンドロ・エルリッヒやアルフレド・ジャーの作品と自然が調和する中で、五感を通して体験することができます。このワイナリーのブドウ畑は高品質のワインを生産していますが、真に際立っているのは、その現代美術コレクションです。Otazu Foundationという財団を持つ彼らは、コレクションを広めるための展覧会や教育プログラムをいくつか持ち、他の美術館や財団などに作品の貸し出しも行っています。
シャトー・ラ・コステ
フランスのプロヴァンスの中心部に位置するシャトー・ラ・コステも、同じく現代美術を多くコレクションしており、アートと調和したワイナリーの良い例の一つです。
この広大なワイナリーは、世界でもトップクラスのワインを生産するブドウ畑を誇っていますが、必見なのは、その現代美術コレクションです。また、起伏のある丘陵地帯には、フランク・ゲーリー、ジャン・ヌーヴェル、安藤忠雄などの著名な建築家によって設計された空間が広がっており、アート作品だけでなく建築も楽しむことができます。
ワイナリーとしてアート作品を展示すること、コレクションを持つことにより、ワインや作品に物語があるように、ワイナリー自体にもよりユニークな世界観が生まれ、そのキュレーションを通して、ビジョンを示すことができます。アートもワインも、想像力豊かに、私たちを魅了して止みません、夢を見ることが諦めきれない私たちを通して、二つが引き合ったのは必然なのかもしれません。