ARCO Madrid はスペインを代表するアートフェアであり、国際的なマーケットの中でもヨーロッパとラテンアメリカを結ぶ架け橋としての役割を果たしてきました。今年3月に行われたARCO Madridでは、コレクターの間で安定した購買意欲が見られましたが、作品選びにおいてより選択的になったとされています。その理由として、国際的な参加ギャラリーの存在と、ラテンアメリカのマーケットにおける戦略的な位置付けが挙げられます。
フェアを通して感じられるのは、ARCO Madridの特色でもあるラテンアメリカ作家の根強さでした。ラテンアメリカのアーティストを紹介するギャラリーは、ヨーロッパや北米のコレクターとラテンアメリカ作家の強い繋がりを反映するかのように、多くの関心を集めたとされています。その中で、有名アーティストだけでなく新進アーティストも注目され、それぞれのコレクターが慎重な目で作品を選ぶ傾向が見られました。

EL CHICO
Cristina StolheとMaya Pita-Romeroの2人展。コンパクトなブースながら調和の取れたプレゼンテーションが特徴。今回が初めてのARCOへの参加となるギャラリーですが、コレクターから注目を集めたブースとなりました。
bombon projects
バルセロナを拠点とするギャラリー。
天井から垂れるEva Fàbregasの作品が印象的なブースでの新進気鋭作家のグループ展を行っていました。
また、ARCO Madridの特徴としてマーケットとしてだけでなく、毎年行われる活発なCuratorial Programが挙げられます。特に、Denilson BaniwaとMaría Willsがキュレーションした「Wametise: ideas para un amazofuturismo」では、アマゾンの自然とアート、生態系と社会の交差点からの知見を示し、プログラムの中でも特に際立っていました。その他の文化的なプログラムの一つとして、日本のanonymous art project による展示も行われていました。

ARCO Madrid全体を通して感じられたのは、「活気」でした。いわゆる有名アーティストだけを紹介するのではなく、フェア全体としてラテンアメリカの作家やスペイン新進気鋭作家のプレゼンテーションが多くみられ、それに対するコレクターの関心も強いようにみえました。既存の価値だけでなく、未来の価値に期待する、アートマーケットにとって豊かな土壌が育まれているようでした。